他人の口臭とは違い、ご自分のお口の臭いというものは気づきにくいものです。
また、親しい間柄の人であっても、口臭があるということはなかなか指摘できるものでもありません。
だからこそ、当院では口臭を客観的な数値で測定するための口臭検査を行っております。
以前までは、口臭の原因は「胃の不調」にあると言われていました。
しかし、近年の研究では胃の不調は口臭と直接関係のないものであることが明らかになっています。
口臭の原因は、「歯周病」と「舌苔」にあります。
まずは、口臭に対する正しい知識をもっていただくと同時に、精密機器を使用して検査を行うことが重要です。
もしも口臭検査の結果が陽性だとしても、恥ずかしいと思う必要はまったくありません。
お口のケアをしない限り口臭は誰でも発生するものなので、検査結果が陰性の方であっても何もしなくて良いというわけではないのです。
口臭の種類
口臭にはいくつか種類がありますので、以下にご紹介いたします。
真性口臭症
生理的口臭
生理的口臭とは、起床時や空腹時、緊張しているときや疲れているときに発生する口臭のことを指します。
健康な人でも発生する口臭なので、気にしすぎる必要はありません。
病的口臭
病的口臭とは、身体の何らかの異常が引き起こしている口臭を指します。
お口の中の異常(舌苔・歯周病・むし歯・唾液の減少など)が口臭を発生させている場合と、お口以外の場所が異常(耳鼻咽喉・呼吸器系疾患など)を起こして口臭を発生させている場合とに分けられます。
歯科では、お口の中の異常が発生させている口臭に対して治療を行います。
仮性口臭症
仮性口臭症とは、客観的に口臭があるとは認められないものの、ご自身で口臭があると悩んでいる方に当てはまる症状です。
ある程度の口臭は誰にでも存在しているので、気にし過ぎないことが大切です。
仮性口臭症は、検査・カウンセリングによって改善します。
口臭恐怖症
口臭恐怖症とは、検査で客観的に口臭がないと診断されても、それだけでは説明のできない苦痛を訴える方に当てはまる症状です。
真性口臭症・仮性口臭症に対する治療では訴えの改善が期待できないため、心療内科や精神科での治療が必要となる場合があります。
口臭の測定方法
STEP 1 >> |
口臭測定はとても簡単で、患者様にご協力いただくお時間は30秒ほどで済みます。 |
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STEP 2 >> |
お口から外したプラスチックシリンジの先に、専用の針を取り付けます。 |
STEP 3 >> |
プラスチックシリンジを口臭測定器の注入口に差し込み、測定を開始します。 |
口臭治療の流れ
① 問診 |
口臭は普段の食事やハミガキなどによって大きく影響を受けます。 そのため、まずは普段の生活習慣や、どのようなときに口臭が気になるかを問診票にご記入いただきます。 あわせて、お口の中の一般的な診査を行います。 |
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② 口腔診査・検査 |
次に、口臭の原因となるVSC(揮発性硫化物)の主要3成分(硫化水素・メチルメルカプタン・ジメチルサルファイド)の値やバランス、パターンなどを測定します。 この測定結果によって、口臭の強さや主な原因を判定することができます。 そのほか、口臭の大きな原因となり得る歯周病の検査や、唾液量を測定する検査を行います。 |
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③ 診断・カウンセリング |
検査の結果や、具体的な治療方針について丁寧にご説明いたします。 | |
④ 治療 |
口臭の治療方法は原因によって異なりますが、お口の異常が引き起こしている口臭については歯周病やむし歯が原因であることが多くあります。 そのため、こうした口臭に対しては歯周病・むし歯の治療を行い、同時に正しいブラッシング方法やフロス・歯間ブラシによるケアについてご指導いたします。 そのほか、必要に応じて舌クリーナーによる舌苔の除去、乳酸菌タブレットによるフローラコントロール、専用の口臭防止剤を用いたうがいをご提案し、患者様に合わせた治療をご提供いたします。 |
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⑤ 再検査 |
一連の治療が終了したあと、効果を測定するために再度口臭検査を行います。 歯周病が原因で口臭が発生していると診断された方は、歯周治療の定期検診で都度検査を受けられることをオススメします。 |